相続が発生したとき、
「親が実家以外にも土地を持っていたかもしれない」
「遠方に土地があると聞いたことはあるけれど、場所が分からない」
「相続登記を忘れている不動産がないか心配」
といったケースがあります。
これまでは、土地や建物の登記記録が不動産ごとに作成されていたため、特定の人が全国のどこに不動産を所有しているのかをまとめて調べる仕組みがありませんでした。
そこで2026年2月2日から始まったのが、**「所有不動産記録証明制度」**です。
所有不動産記録証明制度とは?
所有不動産記録証明制度は、法務局に請求することで、特定の人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を検索し、一覧的に証明してもらえる制度です。
亡くなった方の相続人は、被相続人についてこの制度を利用できます。また、不動産の所有者本人が、自分名義の不動産を確認するために利用することもできます。
たとえば、
- 親がどこに土地や建物を持っていたのか確認したい
- 遠方の土地や使っていない土地を見落としていないか調べたい
- 相続登記が必要な不動産を整理したい
- 自分自身の所有不動産を将来の相続に備えて整理したい
といった場合に役立ちます。
全国の法務局で請求できます
所有不動産記録証明書は、全国の法務局・地方法務局、支局・出張所で請求できます。
書面だけでなくオンラインでの請求にも対応しており、書面の場合は郵送による請求も可能です。相続人が請求する場合には、被相続人との相続関係を証明する戸籍謄本や法定相続情報一覧図などが必要になる場合があります。
2026年9月現在、1つの検索条件・1通当たりの手数料は、書面請求が1,600円、オンライン請求で郵送交付の場合は1,500円、窓口交付の場合は1,470円です。
注意したいのは「すべての不動産が必ず見つかるわけではない」こと
便利な制度ですが、注意点もあります。
検索対象となるのは、所有権の登記がされている不動産です。登記簿がコンピュータ化されていない不動産などは検索結果に出ない場合があります。
また、請求時に指定した氏名や住所などをもとに検索するため、現在の情報と登記簿に記載された過去の住所・氏名が異なっていると、該当する不動産が抽出されない可能性があります。
そのため、「証明書に載っていない=絶対に不動産が存在しない」とは限らない点には注意が必要です。
相続登記の「漏れ」を防ぐためにも活用できます
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。
さらに、2024年4月1日より前に発生した相続で、まだ相続登記をしていない不動産についても義務化の対象となっており、一定の場合は2027年3月31日までの対応が必要です。
しかし、そもそも亡くなった方が所有していた土地の存在を相続人が把握できていなければ、相続登記を進めることもできません。
所有不動産記録証明制度は、こうした相続不動産の見落としや登記漏れを防ぐためにも役立つ制度といえます。
「親の不動産が分からない」ときは、まず財産の整理から
相続手続きでは、不動産だけでなく、戸籍の収集、相続人の確認、預貯金などの財産調査、遺産分割、相続登記など、さまざまな手続きが必要になります。
「親がどんな不動産を持っていたか分からない」
「相続登記が済んでいるのか分からない」
「何から調べればいいのか分からない」
という場合は、早めに状況を整理することが大切です。
一般社団法人 相続手続士業の会では、相続手続きの状況に応じて、行政書士・司法書士・税理士などの専門家と連携しながらサポートしています。
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